デイサービスとは?利用の流れとメリットを解説

デイサービス(通所介護)とは、要介護認定を受けた方が日帰りで施設に通い、入浴・食事・レクリエーション・機能訓練などの支援を受けられる介護サービスです。結論から言えば、費用は1回あたり自己負担1割の方で700〜1,200円程度(食費・おやつ代を含めても1,000〜1,500円前後)、要介護認定さえあれば原則どなたでも利用でき、家にこもりがちな方の外出機会づくりと、介護するご家族の負担軽減の両方を同時に叶える、もっとも使いやすいサービスのひとつです。「どこから介護を始めればいいか分からない」という段階で、最初の一歩として選ばれることが本当に多い。

この記事のポイント

  • デイサービスは「日帰り通所」で入浴・食事・機能訓練を受けるサービス。宿泊はしない
  • 費用の目安は1回あたり自己負担1〜3割で700〜1,500円前後(送迎・入浴込み)
  • 利用開始には要介護(要支援)認定とケアプランが必要。まずは地域包括支援センターかケアマネジャーへ
  • 「機能訓練型」「レク重視型」「認知症対応型」など施設ごとに色が違う。見学して選ぶのが失敗しないコツ
目次

デイサービスとは何か、まず全体像を押さえる

デイサービスは正式には「通所介護」と呼ばれ、自宅で暮らす高齢者が日中だけ施設に通って過ごすサービスです。朝、施設のスタッフが車で自宅まで迎えに来て、夕方また送り届けてくれる。この送迎がセットになっているのが大きな特徴で、「足がないから外出できない」という方でも利用しやすい仕組みになっています。利用時間は施設によって幅があり、半日型(3〜5時間程度)から、朝9時ごろ迎えに来て夕方4〜5時ごろ帰宅する1日型(7〜9時間程度)まで選べます。

正直なところ、「デイサービス」と聞いても最初はイメージが湧きにくいものです。ざっくり言えば、日中を安全に、そして少しでも楽しく過ごすための場所。入浴介助を受けられるので「家のお風呂が危なくなってきた」という不安も解消できますし、栄養バランスの取れた昼食が出て、体操やレクリエーションで体と頭を動かす。同世代の方との会話も生まれます。実際、ご家族から「家では一日中テレビの前だったのに、デイに通い始めてから表情が明るくなった」という声はとても多い。閉じこもりを防ぐこと自体が、体力や認知機能の維持につながります。

何ができて、何ができないのか

デイサービスで受けられる主な支援は、送迎、健康チェック(血圧・体温・脈拍など)、入浴、昼食・おやつ、機能訓練(リハビリ的な運動)、レクリエーションです。看護職員が配置されている施設では、服薬確認や簡単な健康管理もしてもらえます。入浴については、座ったまま入れるリフト浴や、寝たままの姿勢で入浴できる機械浴を備えた施設もあり、自宅での入浴が難しくなった方の大きな支えになります。

一方で、できないこともはっきりしています。デイサービスはあくまで日帰りなので、宿泊はできません。宿泊が必要なら「ショートステイ(短期入所)」という別サービスになります。また、医療行為(点滴や処置など)は原則行いませんし、施設によっては重度の医療的ケアが必要な方の受け入れが難しいこともあります。たとえば、たんの吸引やインスリン注射が必要な方は、看護職員の配置状況によって受け入れ可否が分かれます。このあたりはケースによりますので、持病がある方は申し込み前に必ず相談してください。

似たサービスとの違い

よくあるのが、デイサービスとデイケアの混同です。デイケア(通所リハビリテーション)は医師の指示のもと理学療法士・作業療法士などが本格的なリハビリを行う、より医療寄りのサービス。脳梗塞のあとや骨折の退院直後で、集中的にリハビリしたい方に向いています。対してデイサービスは、生活を支え、社会的なつながりを保つことに重きを置いています。費用面では同じ要介護度ならデイケアのほうがやや高めになる傾向があります。

「小規模多機能型居宅介護」というサービスもあり、こちらは通い・訪問・泊まりを組み合わせて一つの事業所が柔軟に対応してくれるもの。月ごとの定額制で、状態が変わりやすい方や急な泊まりニーズがある方に向いています。どれが合うかは本人の状態と家族の事情次第で、実は正解が一つではありません。

デイサービスの利用の流れと選び方

いざ使おうと思っても、「何から手をつければ?」となる方がほとんどです。手順を整理しておきます。

利用開始までの5ステップ

第一に、市区町村の窓口か地域包括支援センターで要介護認定の申請をします。申請は本人・家族のほか、地域包括支援センターやケアマネジャーに代行してもらうこともできます。第二に、認定調査と主治医の意見書をもとに、要支援1〜2または要介護1〜5の7区分のいずれかが決まります(申請から結果まで通常30日程度)。第三に、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)を決め、ケアプランを作成してもらいます。第四に、候補となるデイサービスを見学・体験。第五に、契約して利用開始、という流れです。

なお、認定結果が出る前でも「暫定ケアプラン」を作って利用を始められる場合があります。急いで使いたい事情があるときは、この方法が取れるかケアマネジャーに相談してみてください。また、要支援の方が使うのは「通所介護」ではなく「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」のサービスになる場合が多く、これは自治体ごとに内容が異なります。ここは分かりにくいところなので、地域包括支援センターに聞くのが確実です。

施設のタイプを見分ける

デイサービスは施設によって驚くほど雰囲気が違います。大きく分けると、機能訓練(リハビリ)に力を入れた半日型のジムのような施設、入浴やレクを中心に一日ゆったり過ごす一般型、そして認知症の方を少人数で受け入れる認知症対応型があります。

体を動かして自立を保ちたい方には機能訓練型、「一人の時間が多くて話し相手がほしい」という方にはレク重視の一般型、というように、本人が何を求めているかで選ぶと満足度が高くなります。規模も、定員10名程度の小規模から数十名の大規模まで様々。大規模はイベントや設備が充実している反面にぎやかで、小規模はスタッフの目が届きやすく落ち着いた雰囲気、という傾向があります。にぎやかな場が好きか、静かな環境がいいかも大事な判断材料です。

よくある失敗と、それを避けるコツ

いちばん多い失敗が、「近いから」「ケアマネさんに勧められたから」と見学せずに決めてしまうこと。本人が居心地悪く感じて、数回で行かなくなってしまうケースは少なくありません。デイサービスは相性がすべてと言ってもいいくらいで、必ず本人と一緒に見学し、可能なら体験利用をしてください。見学の際は、昼食の時間帯に合わせると食事の様子やスタッフの声かけの雰囲気まで分かるのでおすすめです。

もう一つは費用の見落とし。介護保険が使えるのはサービス本体の部分で、食費・おやつ代・おむつ代・レクの材料費などは全額自己負担です。トータルでいくらかかるのか、見学時に明細を確認しておくと安心です。なお、所得が低い方には食費や滞在費の負担を軽くする「負担限度額認定」などの制度がある場合もありますので、費用が心配なら自治体の窓口に確認してみてください。それから、送迎の範囲やお風呂の設備(機械浴があるか等)も、体が不自由になってから効いてくるポイント。先を見て確認しておきたいところです。

よくある質問(FAQ)

Q1. デイサービスの費用はいくらかかりますか?

A1. 自己負担1割の方で1回あたり700〜1,200円程度、これに食費500〜700円ほどが加わり、合計1,000〜1,500円前後が目安です。所得により2〜3割負担の場合はこの2〜3倍。要介護度と利用時間(半日型か1日型か)で単価は変わります。正確な金額は施設の重要事項説明書で確認できます。

Q2. 要介護認定がなくても利用できますか?

A2. 原則、要支援・要介護の認定が必要です。認定がまだの方はまず市区町村か地域包括支援センターで申請を。認定前でも、自費(保険外)で受け入れる施設もありますが割高になります。

Q3. 週に何回まで通えますか?

A3. ケアプランの範囲内であれば、週1回から毎日まで可能です。要介護度が高いほど使える単位数(支給限度額)が増えます。実際には週2〜3回の利用が多く、ご家族の休息(レスパイト)目的で回数を増やす方もいます。

Q4. 認知症でも利用できますか?

A4. 利用できます。一般のデイサービスでも受け入れていますが、症状が進んでいる場合は少人数で手厚い「認知症対応型通所介護」が向いています。徘徊や不安が強い方は、こちらを検討すると落ち着いて過ごせることが多いです。

Q5. 本人が「行きたくない」と嫌がります。どうすれば?

A5. よくあるお悩みです。無理強いは逆効果なので、まずは体験利用で1日だけ試す、送迎スタッフと顔なじみになる、といった小さな一歩から。「デイ」ではなく「サロン」「教室」と言い換えると抵抗が減る方もいます。合わなければ別の施設に変えられます。相性の良い場所が見つかると、通うのを楽しみにする方も多いです。

Q6. デイサービスとショートステイは何が違いますか?

A6. デイサービスは日帰り、ショートステイは数日〜数週間の宿泊です。ご家族が旅行や入院で数日家を空ける時はショートステイ、日中の見守りと活動が目的ならデイサービス、と使い分けます。両方を組み合わせる方も少なくありません。

Q7. 途中で施設を変えることはできますか?

A7. できます。担当ケアマネジャーに相談すれば、別のデイサービスへの変更手続きを進めてもらえます。「思っていたのと違った」と感じたら我慢せず伝えてください。合う施設を探し直すのは、ごく普通のことです。

まとめ

  • デイサービス(通所介護)は日帰りで通い、送迎・入浴・食事・機能訓練・レクを受けられるサービス
  • 費用は自己負担1割で1回1,000〜1,500円前後(食費込み)。食費やおやつ代は保険外で自己負担
  • 利用には要介護(要支援)認定とケアプランが必要。まず地域包括支援センターかケアマネジャーへ
  • 施設は「機能訓練型」「一般型」「認知症対応型」で色が違う。必ず本人と見学・体験して相性を確かめる
  • 本人が嫌がる、費用が不安、といった悩みは珍しくない。合わなければ施設を変えてよい

介護は、制度もサービスの種類も多くて、どこから手をつけていいか分からなくなりがちです。デイサービス一つとっても、「うちの親に合うのはどのタイプ?」「認定はどう取ればいい?」「費用はいくらまでに収まる?」と迷うことばかり。ここで挙げた費用や区分の目安はあくまで一般的なもので、実際の金額や使えるサービスはお住まいの自治体や本人の状態によって変わりますので、最終的には自治体の窓口や専門家に確認するのが安心です。そんな時は、一人で抱え込まずに相談できる窓口を持っておくと、ぐっと気持ちが楽になります。誰に・どこに相談すればいいか分からない時は、介護・福祉のさまざまな悩みをまとめて受け止める「福祉のまどぐち」に、まずお気軽にご相談ください。

目次